ピアスを探している

私はピアスを20歳の時に空けた。右に1つと左に2つ。
20歳の成人式にはピアスを付けて行きたかった。
それから気分が乗った時のみしか付けてこなかった。
理由はめんどくさいの一言に尽きる。
そもそも、アクセサリーを身に付けることが好きではないのだ。付けた瞬間は強くなった気分になるが、どうにも異物感が拭えない。
身に付けたくて買ったはずなのに、身に付けることに違和感がある。
それらの本来の場所は私の身体ではないと思う。かわいそう。
見るのは好きなので店で物色しては購入し、手元に置いておくだけでほぼ満足してた。
ただ時々はどういう心境になるのか武装するかのようにピアスをつける時があった。
見栄なのか優越感なのか虚栄心なのかやさぐれなのかどうにも説明のできないやりきれない私の心を表すように時々私の耳にはピアスが現れる。
めんどくさいが第一の理由であるように、そこまで気が回せないというのも理由にある。
日々の生活が破綻している状態で、身体を起こして会社に向かうだけで私のMPは消費されていく。ピアスのことを考える隙間なんてない。毎日遅刻をしなかったことに胸をなでおろしている社会不適合者にアクセサリーのことを考える余裕なんてあるのか!と叱咤する内なる自分がいるのだ。
朝飯も食べない、着るものにも無頓着な人間がアクセサリーしてどうする。

ピアスが私の中でとても不思議な立ち位置にいる。とても重要で後回しになる存在。
生きる上でも社会的にも無くて困らないものだからそうはなるだろう。
洋服にもアクセサリーにもほぼ興味がない唯一の女らしい部分なのだ。
だからかそこにすがるわけでもなく、固執もしない。だけど失くす気はない。書いてて納得した。

最近、会社で人事異動があった。久しぶりに別部署へ異動になった。
業務内容が少しだけ外向きになるのでちょっとピシッとしないといけないな~と考えてたところでピアスのことを考えるようになった。
「お守りになるようなピアスが欲しい」
いつも買っているような安くて壊れやすいものじゃなくてお値段もそこそこのいいモノが欲しい。
自分の中で「私はいいものを身に付けているから大丈夫」っていうのが欲しかった。
こういうのが欲しいっていうイメージが出来上がってるのでとりあえず探してみたがない。
メンズで探してみたらイメージと近いものがちらほら出てきた。自分の好みはメンズ寄りなのか…とちょっと悲しくなった。お花なんだけどな。