竜とそばかすの姫

宮崎駿作品が殿堂入りな私です。
新海誠作品は見たことないけど細田守作品は見てる(時かけデジモンは見てない)。

今回の「竜とそばかすの姫」は、まずデザインが良かった。ベルがかわいい...ってディズニーのアニメーターさんがデザインしてるのかよ、そりゃいいはずだわ。それと音楽がいい。主役の中村佳穂さんは最近の音楽番組でよく名前を耳にしている、いわゆる「今キてるスゴイ人」だ。そして、曲を常田さんが作ってるとのことで俄然前のめりになった。そして、決め手は婦人合唱団の方々だ。この方々が脇を固めてる音楽...聴いてみたい!
サマーウォーズ」は印象的だったけど他の作品はどうにも私の波長とは合わないみたいだ(素晴らしいのは分かるけど)。特に「未来のミライ」はどうにも不可思議だったなぁ。
今回はどうなる?という感じで鑑賞してきました。感想はまあ、よかったと思います...だ。
SNSが大普及している現代をわかりやすくデフォルメしてて、リアルと虚構の落としどころがこの作品の伝えたいところなのかな?と思った。正直、エンディングの後が気になった。鈴の現実世界での周りの反応とか変化とか、竜の正体を知った世間はどう変化するのか。などなど。この気になる部分をたくさん残してるのがこの作品の肝なのだろう。
「U」というバーチャル世界とリアル世界を行ったり来たり。現実と虚構の世界。どちらの世界に価値を置いてしまうのだろう。言葉なんて簡単に吐ける時代になったし、大量の情報に飲み込まれて自分の意思が機能しなくて、流されてしまうことばかりだ。多くの人が今まで言わずにいた言わなくてもいいことを一斉にしゃべりだした。顔が分からないというのはとても怖いことだ。SNSがない時代でも噂一つで疑心暗鬼になったりしたのに、今は目に見える形で『誰かがこれを言った』という跡が残る。生まれた時から、この2重世界が広がっている世代は大変だろうな。情報量は多いくてすぐにアップデートされるのに、現実の先輩方はいつまでもアップグレードしてくれないのだから...生きづらそう。

宮崎作品は『あの世界に行ってみたい!』という気持ちにさせるが、細田作品は『あの世界に行ってしまったら、自分は何ができるだろう』と考えさせられるなと思った。あと、やっぱり食事のシーンはジブリの方が圧倒的においしそうでした。
美女と野獣のオマージュ...それってどうなの?とは思ったけど綺麗なシーンでした。